第4位(110ポイント)
『ビーンク&ロサ』 模造クリスタル
『ビーンク&ロサ』
模造クリスタル イースト・プレス
ゴミ山の片隅に放置されている、壊れたキャンピングカーに住む少年・ビーンクと 少女・ロサの日常。2人は学校へも行かず働きもせず、時々怪人の一味の手伝いをして暮らしていた。
タッチも変えてめまぐるしく展開する不思議な世界設定に思わず引きこまれた人も多かったようです。
オススメボイス!
■キャラが濃くその雰囲気だけでも楽しめる。模造クリスタルのほかの作品も単行本化切望します(竹下典宏/まんだらけコンプレックス店長)
■うれしくて、さびしくて、少し落ちつかないような不思議な感情が心に残る作品です(漫画トロピーク/謎の社会人漫画サークル)
■日常そのものにまつろわぬ2人の“異端児”がおりなす不条理ギャグ(?)。シュールな展開に違和感を感じつつも、それこそがなんだか心地いい(オオタシンイチ/カメラマン・編集).
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第5位(80ポイント)
『阿部洋一短編集 オニクジョ』 阿部洋一
『阿部洋一短編集 オニクジョ』
阿部洋一 集英社
人間に害を及ぼす「オニ」を駆除する「オニクジョ」が登場する短編集。
可憐な女子高生の姿をしたオニクジョは、一発でオニを無残に吹っ飛ばすほどの強力な吹き矢でオニを殲滅する。
おどろおどろしさとかわいらしさの入り混じった不思議なテイストの絵柄と、オニクジョそしてオニさえも個性があり、それぞれの人生が見えてくるような描写は注目です。
オススメボイス!
■あいかわらずの安定感! 阿部洋一は今もっとも力のある「連作短編作家」のひとりではないか!(劇画狼/漫画始末人/おおかみ書房代表)
■収録作「金属のキミへ」がすばらしい。カチャカチャさせてるラストには震えました。日常あるものが変にジョイントされててもその非日常がナチュナルで違和感なく見える阿部洋一ワールドはさすがで、こんな短編もっともっと読みたいです(竹下典宏/まんだらけコンプレックス店長)
■鬼駆除=オニクジョかぁ、と少々拍子抜けして読んだらナニこのおもしろさ!? 独特のセンスあふれる絵柄にもグイグイひっぱられて一気読みしちゃいました(トロピカルあいこ/ライター)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第6位(78ポイント)
『花井沢町公民館便り』 ヤマシタトモコ
『花井沢町公民館便り』
ヤマシタトモコ 講談社
2055年の未来。シェルター技術の開発事故に巻きこまれ、花井沢町は生き物だけを通さないという見えない壁に覆われ、外界から隔離されてしまう――。
どこにも行けず、だれもやってこないというシチュエーションで展開する、思いのほかハードな物語に意表を突かれた人も多かったようです。
オススメボイス!
■ほのぼのとした日常のべールに覆われたディストピアもの。温かくて怖い新感覚(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
■この街ってどうなっちゃうんだろうとあれこれ想像してしまった(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■SF設定により突如閉じ込められた町の人々。非日常はやがて日常になりながら、その歪みが確実に刻まれる、そんな世界にぞっとしました。第1話にて「近い将来なにか破滅的な状況に彼らが陥る」と明示されているのがまた恐ろしい(ナデガタ/漫画感想ブロガー)
■ストーカーに泥棒、壁の向こう側の人々との温度差。見えない壁に囲まれている街の息苦しさが生々しいです。あえて設定は深堀りせず淡々と日常を描くスタイルも、その閉塞感に一役買っています(漫画トロピーク/謎の社会人漫画サークル)
■社会派SFとして読んだ。夜中に読むとちょっとゾクゾクする怖さ。この作者、ほんと引き出し多い…!(和智永 妙/ライターたまに編集)
■外に出ることも入ることもできない、という閉じられた狭い世界を描くSF。滅亡に向かう世界を描く話だが、こちらは大きな流れになすすべもない。なので、普通につづるとおそらく息苦しくなる話を、時間軸を自在に飛んで描くことで、読み手はやや余裕を持つことができている。とはいえヒロイン同様、読者も追い詰められることには変わらないが(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)