第7位(68ポイント)
『ピンキーは二度ベルを鳴らす』 うめざわしゅん
『ピンキーは二度ベルを鳴らす』
うめざわしゅん 小学館
夜の繁華街を、ろうあの相棒・チーフをともに闊歩する小人症のヤクザ“リトルピンキー”。
あなどる者には硫酸の小瓶をちらつかせて“深刻な人間”だと知らしめるピンキーは、街で起こるもめごとや犯罪を、タフな精神力とブレない信念をもって解決していく。
コアなファンに絶大な支持を受ける著者が挑んだ新境地。
上等なストライプのスーツを着こなし、葉巻をくわえて自分の揺るがない人生観にもとづくポリシーを語るピンキーのカッコよさと、魂にズドンと響く言葉のチカラに魅了されます。
オススメボイス!
■裏社会の便利屋、解決人の話。人情噺も垣間見えつつ泣きにはけっして傾かないハードボイルドな作り。裏社会だけにダークでヘビーな話もある。エピソードのバランスがよく物語世界に引き込まれる(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)
■現代ノワールに、ピンキーという異色のハードボイルドを紛れこませた作品。新しく、どこか懐かしい(ツクイヨシヒサ/マンガ評論家)
■エンタテイメント作ながらもうめざわしゅん魂はしっかり。「達成されてしまう欲望と達成されることのない欲望…一体どっちがマシだと思う?」「人目を気にしてしまうことなんて気にするな」「そういう問題が解決することはない」ネガティヴなようで救われる名言満載(井口啓子/文化系ライター)
■ピンキーを呼ばれる小人症の小男と、彼が主任と呼ぶ聾唖の大男のコンビが裏社会のトラブルを解決していく。何より、ピンキーと主任の絵面がそれだけで異彩を放っている。そしてピンキーは、物語冒頭で「人は沈黙するべきだ」と言っているのに、語る語る。こんなに語るアウトローものってなかなかないんじゃないか。その語りが異様な風采と相俟って、軽薄とならず重みを持って読者に届き、独特の読後感をもたらす(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)
■ピンキーシリーズが待望のコミックス化。映画化希望!(ピンキー役が難しいけど)(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
第8位(64ポイント)
『暗殺教室』 松井優征
『暗殺教室』
松井優征 集英社
すべての物語に“決着”がついた第20巻に続いての、いわば後日談。
中学を卒業した渚たちは、それぞれどのような道を歩んでゆくのか……。
連載開始は2012年、『このマンガがすごい! 2014』オトコ編で第1位に輝いた『暗殺教室』も、ついに感動の完結巻が! 上記の後日談にくわえて殺せんせーのオトナな私生活を描いた番外編など、フィナーレを飾るにふさわしい, 明るいお別れの最終巻となりました。
オススメボイス!
■暗殺教室はついに完結。(7月に出た新刊とは思えないくらい。)みんな、たぶん殺せんせーもしあわせになれる結末でよかったかな。もういちど1巻から読み返してみたいです(なみかわみさき/物書き)
■人気連載マンガでありながら、作品が最初から最後まで見事にまとまり感動できるというのは、ある種の奇跡(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
■迷ったが週刊連載のマンガとして特記すべき位置にあるので、「暗殺教室」を推す。正道と覇道を千鳥足ながら、堂々と正面突破した(辻真先/アニメ脚本家・ミステリ作家)
■ああ、ついに完結。そうだよね、そういう感じだよね。異論ありません。でも、心にぽっかり穴が開いたような喪失感もたしかです。いいマンガだったという証左(東雲騎人/イラストレーター)
■感動だけでなく、ちょっと笑えるラスト。せんせーも、生徒たちも見守ってきてよかった、としみじみしました(和智永妙/ライターたまに編集)
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第9位(60ポイント)
『宇宙のプロフィル』 こがたくう
『宇宙のプロフィル』
こがたくう 講談社
赤色巨星となった太陽が迫り、いよいよ最期の時を迎えようとする50億年後の地球。惑星の終焉を見届けるツアーに参加した女性は、何かを待ち続ける1台のロボットと出会う。
ただ言葉を発するだけの単純な箱であるロボットは、いったい何を待っているのか……?
悠久無限な宇宙と、そこに流れる膨大な時間の流れを切りとった上記作品「地球最期の日」を始め若き新鋭作家が描く5編のエピソードが収録された傑作SFオムニバス。デビュー作とは思えない完成度です。
オススメボイス!
■宇宙と時間をテーマにしたSF短編集。雑誌掲載時から何か特別なものを感じてましたけど、まとめて読むと才能というものを強く感じさせます。作者はこれがデビュー作だそうで、この先何かビッグタイトルを発表してくれることに期待せざるをえません(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)
■秀逸なアイデア、練られた構成、独自の世界観、驚きのラスト、心に沁みる人間ドラマ。壮大な空間と時間のなかに、一人ひとりの人生が息づいている。こんなにも粒ぞろいのSF短編集をいま新たに読める幸せ!「デビュー作」と知って、さらに驚嘆した(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
第10位(58ポイント)
『恋のツキ』 新田章
『恋のツキ』
新田章 講談社
平(たいら)ワコ、31歳は、つきあって4年目になる彼氏・ふうくんと同棲中。
トキメキもないけど不満もないぬるく平穏な日々で、そのまま彼とゴールインするしかないと本人すら思うなか、ある日彼女が働く映画館に顔がどストライクの男子高校生がやってきて……。
すでに決められた(かのように見える)ある意味安定した規定路線を選ぶべきか、「運命の出会い」を信じて衝動に身をまかせてつき進むべきか? 適齢期のアラサー女性の揺れ動く心をていねいに描いた作風に大きな支持が集まりました。
オススメボイス!
■映画好きとしては、こんな出会いが本当にあれば……とキュンキュンせずにいられない! 「あそびあい」の新田章だけに、たんに2人の恋の顛末を描くだけでなく、どの恋を選べば「当たり」なのか? そもそも「当たり」ってどうゆうこと――!? といった恋愛や幸せの本質そのものに迫る展開となりそうで楽しみ。(井口啓子/文化系ライター)
■性にすこーしだらしないアラサー女子のスキがうまく描けている。実在の女性のリアルというより、今オトコが欲望しているソレ、という意味で。(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■同世代だからでしょうか、なんかめっちゃ身につまされるというか、続きが気になるマンガです……。ふうくんほど鈍感ではないぞ……! とは思っていますが、イコくんのようなピュアさはもうないよなぁ……と。男性と女性で、感想も違うんだろうな(竹村真志/三省堂書店 神保町本店・コミック担当)
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