今回の「このマンガがすごい!WEB」オンナ編ランキングは、本当に多種多様!
鉄道をテーマにした作品、筋肉美女(!?)の4コマ、同人誌即売会で話題の著者初単行本、人気アニメシリーズのコミカライズ、そして少女マンガ史上初の紫綬褒章を受章された超大御所作家が描く、荘厳な16世紀のフランス宮廷を舞台にした純愛ラブストーリー、などなど……。どれから読むか迷ってしまうほど、幅広いジャンルに富んでいます。
ただ、今回のランクイン10作品、どれから読んでも、そのおもしろさは「このマンガがすごい!」の保障つきです! さあ、みなさんはどの作品から手にとりますか……?
それでは、3月のオンナ編ランキングへGO!
(2015年1月1日~1月31日発売作品を集計)
第1位(132ポイント)
『さよならガールフレンド』 高野雀
『さよならガールフレンド』
高野雀 祥伝社
下世話な噂話が絶えず広がってしまう地方の町で、閉塞感を抱えながら暮らす女子高生・瀧本ちほ。彼女はある日、みんなが「ビッチ先輩」と呼ぶ、金髪のヤンキー女子と知りあう――。
当初、同人誌として制作され、同人誌即売会「コミティア」の見本誌読書会で、第1位を獲得したことで発売前から話題を呼んでいた作者の、待望の初単行本。様々な女友だちのありようを描いたそのほかの短編も好評価でした。
オススメボイス!
■デビュー作とは思えない完成度の高さ、絶妙な読後感にやられました(かとうちあき/「野宿野郎」編集長【仮】)
■ダニエル・クロウズ『ゴーストワールド』や山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』を彷彿させつつも、そのドン詰まり感に風穴を開けるエンディングが秀逸。残念な人々への切なくもあたたかな眼差しに、著者の人柄がうかがえて、清々しい気分に(井口啓子/文化系ライター)
■舞台は日本のどこにでもあるような田舎町。その切りとられた空間・時間に空気が満ち、リアリテイが生まれ、やがてその空気はあふれ出し、過去と未来を形作る。永遠にも思えたこの土地の退屈な日々はしかし永遠ではないし、そこで得られたかげがえのない関係もまた永遠ではない。永遠が永遠でないと知ってしまった少女たちのためのほろ苦い物語。(小田真琴/女子マンガ研究家)
■小さい世界にある小さい鬱屈。それぞれがささやかな一歩を踏み出してくのが劇的じゃなく、じんわりおりてくる感じがすごくいい(竹下典宏/「まんだらけ」コンプレックス 店長)
■初単行本とは思えない完成度の高さ! 会話やフォントや漢字の使い方(例:尊厳→ソンゲン)もよく吟味されていて、読み返すたびに新たな発見がある。次回作が楽しみ(早川博志/「恭文堂」コミッククラフト店)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第2位(98ポイント)
『女の友情と筋肉』 KANA
『女の友情と筋肉』
KANA 講談社
3人娘のイオリ・マユ・ユイは、高校の同級生。仕事もプライベートも充実し、女子力も高い彼女たち。でも、ただひとつ「普通」と違っていたのは……彼女たちは3人とも、筋肉隆々のマッスル女子だったのです!
強烈なインパクトのタイトル&絵柄にノックアウトされた読者が多発!! 見た目に反した女性らしさと、見た目どおりのパワフルさ、そのギャップが大注目されました。
オススメボイス!
■設定だけの出落ちマンガだと思って読み始めたら、一気読みしてしまった。4コマは単行本で読むと途中で飽きることが多いが、最後までダレなかったのはキャラにリアリティがあるからだろうか(芝原克也/日本出版販売コミックチーム係長)
■女子力とは愛嬌とタフさであるということを教えてくれます(藤谷千明/フリーライター)
■筋トレと恋愛が生活の潤滑油! 恋に仕事にマッスルでハッスルする作品。意外と女性でした(エロ上司/「とらのあな」商品課 バイヤー)
■ネットで読んでいて仕掛けたタイトル。こちらも全国的に売り切れ店続出! やっぱりおもしろい本は売れる!(福丸泰幸/「喜久屋書店」漫画館京都店 店長)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第3位(94ポイント)
『君曜日 鉄道少女漫画』 中村明日美子
『君曜日 鉄道少女漫画』
中村明日美子 白泉社
鉄道をテーマに、連作短編集としてバラエティ豊かな物語を紡ぎ出した、著者の名作『鉄道少女漫画』。そのなかの一篇「木曜日のサバラン」に登場した女子中学生・倉木亜子を主人公にすえた、スピンオフシリーズ。彼女と、一途だがいまいち素直でない小平の、もどかしいながらも少しずつ歩みよっていく心のつながりを描く。
BLや耽美のイメージが強い中村明日美子がしかけた、キュンキュン間違いなしの甘酸っぱい初恋模様。男性読者も女性読者もやられっぱなしだった模様!
オススメボイス!
■中学生の瑞々しい恋心とドキドキがギュッとつまっており、切なくて顔をしかめてしまったり、楽しくてニヤニヤしてしまったり、終始心つかまれっぱなしでした(いづき/ブログ「オトコでも読める少女マンガ」管理人)
■独特の線で描かれる、まだ成長しきっていないがゆえの戸惑いが切ない。こんな青春をすごしたことはないはずなのに、胸に迫ってくる何かがあります(永田希/書評家/「Book News」運営)
■お互いの気持ちにまだ名前をつけない2人の、絶妙な距離感に悶える。そして表紙の少女の笑顔の先にいるであろう、男の子を見つめる裏表紙の幼なじみ姿が、切なくて悶絶する(ふな/ブログ「はてなで語る」管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!