昔から少女マンガ、女性向けコミックの棚って、男子にとっては目に見えない壁があるというか、入りづらい空気があるような気がしませんでした?
でも、最近は「別冊マーガレット」で連載されていた高野苺先生の『orange』が「月刊アクション」に連載が移るなど、そういった“目に見えない壁”はなくなってきた、あるいは低く薄くなってきた印象もあります。
「男性向け、女性向け、そんなことは気にせずに良作を読んでいただきたい」と話してくださったのが、今回ご紹介する恵文社バンビオ店(京都府)店長兼コミック担当の宮川元良さん。
少女マンガ読者歴25年(!)という宮川店長が男性にぜひ読んでほしいマンガとは、いったいどんなマンガ?
恵文社バンビオ店がオススメする『少女マンガ』ベスト3
『宇宙を駆けるよだか』 川端志季
『宇宙を駆けるよだか』第1巻
川端志季 集英社 \400+税
(2015年2月25日発売)
かわいくて素直で友だちも多く大好きな人と恋人同士になったばかりのあゆみは、初デートに向かう途中に、同じクラスの海根然子の自殺を目撃。
その後、気を失ったあゆみが目を覚ますと、醜い容姿の海根然子と体が入れかわっていた……!?
男女が入れかわるお話はマンガだとけっこうよくあるお話ですが、女子が妬みをうけて、入れかわられてしまうという世にも恐ろしいお話は、今後「どうなるんだろう……!?」と、次が気になって仕方がありません。
はたしてあゆみはもとに戻れるのか? と、手に汗握ります!
『水玉ハニーボーイ』 池ジュン子
『水玉ハニーボーイ』第1巻
池ジュン子 白泉社 \429+税
(2014年11月5日発売)
女子にも超人気で「侍」の異名を持つ女子剣道部主将・仙石芽衣に、女子力が高くて「女子だったら彼女にしたい」と男子にささやかれるオネエ系男子・藤司郎が恋! 藤君の告白攻撃に仙石もすこしずつ心を開いて……というお話です。
なによりキャラクターのすばらしさに注目していただきたい!
オネエ系男子の藤君の女らしさのなかに垣間見えるかっこよさと、男っぽい仙石さんが時折見せるかわいいところが本当にすばらしい!
ストーリーもテンポよく、まさにザ・少女マンガと言えるでしょう!
『こいいじ』 志村貴子
『こいいじ』第1巻
志村貴子 講談社 \429+税
(2015年3月13日発売)
町の銭湯の娘・まめは、子供の頃からずっと幼なじみの聡ちゃんに片思い。聡ちゃんの妻・春さんが亡くなってから1年、まめの恋心は募るばかりです。そこへ突然、まめの姉・ゆめが帰国するとの報が入り……。
まったく脈がなさそうな恋の行方はいかに!?
意地になっているわけじゃなく、ただただ好きな人をあきらめられないんだなー、という主人公・まめちゃんの、そこがかわいいというかなんというか。
タイトルも秀逸! 意地じゃないけどあきらめきれない恋、いじいじ落ちこんじゃう恋……そんな想いを上手に表したタイトルですね。
「がんばれ!」とは安易に言えないけど、まめはいいやつっぽいから幸せになってほしいなー、と思いながら読んでいます。
なんといっても、本作の魅力は、あきらめの悪いまめちゃんのかわいさです! あまりにも脈がなさそうすぎてつらいところですが……。