人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。
今回お話をうかがったのは、松駒先生!
ツイッターから出発し、マンガ化、ドラマ化とその人気はとどまるところを知らない『ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~』。インタビュー後編では、原作者である松駒先生に、作中に登場する個性的なバイト仲間たちの素顔、あのエピソードの裏話、さらにはニーチェ先生のバンドについてまでさらに突っ込んでお話をうかがいました!
原作者松駒先生のインタビュー前編はコチラ!
内容はなんとほぼノンフィクション!
―原作はどんなかたちで書いているのでしょうか。
松駒 ツイッター用の投稿フォームで140字を目安にまとめるようにしています。
担当編集 立ち上げの時、ツイッターの投稿をそのまま原作として、作画担当のハシモト先生にマンガ化してもらったので、その形式を継続していくのがいいやり方かなと。
―ノンフィクション度はどのくらいなんですか?
松駒 かなり高いですよ。そのまま出してしまうと、店や個人が特定されてしまうというのを避ける以外は。たとえば、お客さんの年齢などは変えたりしますけど……マンガ映えするように誇張するとか盛るといった演出はしますが、セリフなどはほぼ実際にあったもので。
―えっ、そうなんですか。ゼロから作ったネタもあるのかと思ってました!
松駒 “仁井くん”の素の言動からスタートした作品なので、そのリアルさがないとおもしろくなくなってしまうと思うんです。
―じゃあ、レギュラーのキャラたちにもそれぞれモデルがいるんですね。
松駒 いますよ。「いちばんありえないのってオーナーだよね」とよく言われるんですけど、じつはいちばんリアル度が高いのはオーナーかも。
―えっ、あのオーナーでよくお店がつぶれないですね(笑)。“仁井くん”のことが大好きな塩山さんに相当するような子は?
松駒 彼女にも、モデルがいますね。あまりくわしくは言えないですが……。“仁井くん”にはファンが多いですが、本人は意に介さずみたいです。
―作中の“松駒くん”は、最近オッサン好きキャラが確立されてきましたね。
松駒 夜勤だと中年以上の男性のお客さんが多いので、関わることが多いということもありますが。長距離トラックの運転手さんとか、深夜に現場で働いている方とか。一見怖そうに見えるんですが、「ありがとう」とか声をかけてくださる方が多くて……。コンビニ夜勤を始めてからですね、おじさんのよさに気づいたのは。
―道を教えたお礼をわざわざまた言いに来てくれたエピソードも、心あたたまりました!
松駒 あれも本当にあったことです!
担当編集 “松駒くん”は、2巻までは“仁井くん”の観察者としての役割が強かったのが、3巻からは前に出てきた感があります。松駒先生ご自身がのびのび書けるようになってきたのかな?
松駒 1巻を出したところで一度力尽きて……(笑)。「これからどうしていこうか」となった時に、まっすぐに書きたいことを書いていくしかないなと。
―身近な存在であるコンビニの内側がわかるのも『ニーチェ先生』の読みどころですね。特に、おでん70円セールが店員さんにとっていかにたいへんなのかひしひし感じました(笑)。
担当編集 このエピソードは、実際にコンビニでバイトをしているという読者さんからの共感の声がものすごかったです。