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【日刊マンガガイド】『バウンスアウト』第3巻 西条隆男(作)東元俊也(画)

2014/07/19


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『バウンスアウト』第3巻
西条隆男(作)東元俊也(画) 講談社 \562+税
(2014年7月4日発売)


主人公は少年院を出たばかりの大和壮兵。タイマンでは負けナシの19歳だ。
大和は退院の足で六本木に向かい、幼なじみの木嶋からクラブのセキュリティを引き受けるバウンサー(用心棒)会社を紹介される。だが、その直後にハングレ集団“暴走連合”による襲撃事件が起こり、大和たちはいやおうナシに巻き込まれていく――。

この3巻では、序章ともいえる暴走連合編がいちおうの決着を見る。沖縄に身柄を隠していた暴走連合最強の男・黒澤を大和が追い詰め、タイマンを繰り広げたのだ。
2人が拳を交えるなかで、なぜ黒澤たちが集団襲撃事件を起こしたのか、大和の真の敵がだれなのかが判明する。

『破道の門』から比べると飛躍的に画力を増した東元俊也の描くケンカは、ページからゴツゴツとした骨の音が聞こえてくるようでじつに生々しい。新進気鋭の原作者・西条隆男も相当に取材を重ねているのだろう。
暴排条例によってヤクザが地下に潜伏し、パワーバランスが狂い始めた六本木アンダーグラウンド事情を詳細に描いており、現在進行形で起きている不穏な事件とのリンクも密接だ。

単なる喧嘩上等のヤンキーマンガとは一線を画す、本物志向のクライム・アクションから目が離せない!



<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。東京都立川市出身。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。
個人サイト ドキュメント毎日くん

単行本情報

  • 『バウンスアウト』第3巻 Amazonで購入
  • 『バウンスアウト』第1巻 Amazonで購入
  • 『破道の門』第1巻 Amazonで購入

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