日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『千早さんはそのままでいい』
『千早さんはそのままでいい』 第2巻
くずしろ 集英社 ¥438+税
(2016年10月4日発売)
女子高生・百瀬千早(ももせ・ちはや)は、甘いものと炭水化物が大好き。
自分の体型をかなり気にしており、スレンダーめざしてダイエットをがんばっているところ。
ところが食欲が強い彼女、すぐに食べ物に負けてしまう。
ギョーザ、からあげ、うどん、とんかつ、ラーメン、お好み焼き、だんご、カレー。
たしかにカロリー激高い。
しかし彼女、表紙のとおりそんなに太っていない。
むしろこのくらい肉付きがいいほうがいい!という人は、多いと思う。
でも「別に太ってないよ」という周囲の声と、「どうしてもやせたい」という本人の思いは、往々にしてかみあわない。
幼なじみの犬塚志真(いぬづか・しま)は、食べないようがんばる彼女を、引き止める。
食べずにふらふらする彼女の目の前に食べ物を差し出し、食えと何度も繰り返す。
「私が太ったら志真 責任とれんの!?」と叫ぶ千早。
志真は「うん」「俺はそのくらいの方が好きだ」。
第2巻では、食事シーンのフェチ度アップ。恋愛度数もアップ。
一方で『姫のためなら死ねる』、『犬神さんと猫山さん』などを手掛けた著書が得意とする、百合的描写が数多く織りこまれている。
千早と、クラスメイトの綾目(あやめ)は、ミートボールを半分こして箸で食べさせあう。
友人のいちごは図書室で、拒否しつつも我慢できず赤面する千早の口のなかに、アメを押しこむ。
たいへん眼福です。
千早さん、そのままでいいよ!
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」