話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
★今回、著者の松下幸市朗先生からコメントをいただきました! 松下先生の貴重なコメントは記事の最後(3ページ目)にて!!
今回紹介するのは『ひとり暮らしの小学生 江の島の空』
『このマンガがすごい!comics ひとり暮らしの小学生 江の島の空』
松下幸市朗 宝島社 ¥700+税
(2016年11月10日発売)
『ひとり暮らしの小学生』とは平易でありながら、人の心をひきつけるタイトルだとあらためて思う。
マンガはなんでもありの世界だが……それでも小学生がひとり暮らしをしているなんて設定はまずないので、最初は「ああ、いかにもマンガだなぁ」などと思ってしまった。
だけど、一方では、自分が小学生だった時に「もしひとり暮らしをしていたら」と想像していたことを思い出して、その自由さと不安さに甘美な想いをはせている。マンガなのに!?
時は80年代……現代より“すこし昔”の物語。交通事故で両親を亡くしたリンは小学4年生。
学校に通いながら、放課後は両親が営んでいた定食屋「鈴音食堂」の主として、貧乏に負けず明るくがんばっている。