『お前ら全員めんどくさい!』第1巻
TOBI ほるぷ出版 \570+税
(2014年7月11日発売)
4人の女の子にモテる。なにそれうらやましい、爆発しろ!
しかしこれが、先生と生徒だと変わってくる。コミュ障で泣き虫でぼっちの一宮、先生との禁断の恋愛という状況を狙うのが好きなだけの栗原、ツン90%生真面目委員長の榎本、突然やってきて唇を奪う肉食系の謎の少女……。
これ、どれ選んでもダメなやつだ。「モテキ」じゃなくて「女難」のほう。
とはいっても、先生と生徒の恋愛ものって、マンガとしては珍しくもない題材なんじゃないか?
だが作中で、栗原が「先生と恋愛」すること自体が目的であると強調することで、教師と生徒の恋愛が、ゾッとするほど厄介でタブーであることを、読者は再認識するのだ。やっぱ、アウトだわ。
ただ、読者はどうしても、不器用で友だちのいない一宮には感情移入してしまう。そして、先生も意識してしまう。
けれど、大人側としては「からかわれているだけかもしれない」「一時的なものかもしれない」というとまどいもある。
第1巻の段階では、まだ「厄介だなあ」程度だが、これ以降、修羅場が起き始めてからこそが、本作の本領だろう。どこまで「めんどくさい」状態を描いてくれるか、ワクワクする。
個人的には、人を利用してシレッと近づこうとするツン少女・榎本さんが好みです。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」