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『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』 第5巻 友井マキ(作) 西出ケンゴロー(画) 梅原大吾(監)【日刊マンガガイド】

2016/10/21


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』


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『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』 第5巻
友井マキ(作) 西出ケンゴロー(画) 梅原大吾(監) KADOKAWA ¥580+税
(2016年9月26日発売)


1991年、『ストリートファイターII』の爆発的なヒットによって、一大ブームを迎えた対戦型格闘ゲーム。現在も様々なタイトルが作られている人気ジャンルだが、この格闘ゲームにおいて、「神」と呼ばれたひとりの天才プレイヤーがいたのはご存じだろうか?

それが「世界でもっとも長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネス認定された、日本初のプロ格闘ゲーマー・梅原大吾(=ウメハラ)。その圧倒的なプレイスキルから、海外でも「The Beast」の異名で知られ、現在もトッププロとして業界を牽引している偉大な人物である。
そんな彼の青春時代を描いた自伝的マンガ作品が『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』(監修・梅原大吾 原作・友井マキ、作画・西出ケンゴロー)なのだ。

主人公であるウメハラ少年だけでなく、それを取り巻く個性的なプレイヤーたちも魅力的に描かれている本作。第5巻ではついに、のちのウメハラの師匠である強豪・オゴウが登場する。
前巻に登場した勝負の鬼・クラハシとは打って変わったユルめのキャラクター性に少々面食らってしまうものの、その天衣無縫なプレイングは現在のウメハラの源流を感じさせてくれるのがおもしろい。

現在とは異なり、ゲームのうまさが一銭にもならなかった時代。
名誉や報酬とはかけ離れた場所でしのぎをけずるキャラクターたちから垣間見える葛藤や哲学には、「勝負事とはどういうものか?」という問いに対するある種の普遍的な答えがこめられているようで、格闘ゲームにノスタルジーを感じない人にもオススメできる一作となっている。



<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。

単行本情報

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