日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』
『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』 第6巻
友井マキ(作) 西出ケンゴロー(画) 梅原大吾(監) KADOKAWA ¥580+税
(2017年1月25日発売)
日本ではまだまだ認知度が低いe-Sports。
世界ではプレイ人口がサッカーに次ぐといわれており、賞金が発生する大会も続々と増えている。
プロゲーマーのトップクラスとなると、プロスポーツ選手並の賞金を稼いでいる人もいる。
そんななか、日本人にも世界で活躍するプロゲーマーが存在する。
それが格闘ゲームのプロゲーマー・ウメハラ(梅原大吾)だ。
ギネスに「もっとも長く賞金を稼いだプレイヤー」として認定されており、まさに第一人者といえる存在だ。2010年にアメリカのゲーム周辺機器メーカーのマッドキャッツとスポンサー契約を結び、事実上、日本人最初のプロゲーマーになっている。
そのウメハラの若き日を綴ったのが、『ウメハラ FIGHTING GAMERS!』だ。
『ストリートファイターII』シリーズが全盛だった時代、若きウメハラが格闘ゲーマーとしてその名を轟かすさまが描かれている。第6巻では、対ザンギエフ戦を掲載。
画面端の自動二択などの攻略法もしっかりと抑えており、ウメハラの成長譚としてだけでなく、当時のゲーム事情などを見てとることができる。
当時を知る人には懐かしく、知らない人にはおもしろく感じるようにうまく展開されていてのめり込める。
このマンガを通じて、ウメハラ自身が気になるようなら、『勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」』などの著書も読んでみるのをオススメする。
プロゲーマーが単なるゲーム好きがなれる職業でないことがわかる。
あと、ウメハラの存在を一気に高めた「背水の逆転劇」の動画も一度は見るべき。
格闘ゲームを知らない人は何がすごいかわからないと思うが、観客の熱狂ぶりを観れば、どれだけの偉業かがわかるはずだ。というより、他人がプレイしたゲームを観ているだけで、そこまで熱狂できるんだということが感じとれ、e-Sportsの魅力の一端が理解できるだろう。
<文・岡安学>
デジタルモノなどのガジェット系を中心に雑誌やWebで活動するフリーライター。元ゲーム誌編集者で、ゲームやアニメ、マンガなどのメディアも守備範囲。ソフトとハードのどちらもこなす。現在、生活総合情報サイト「オールアバウト」にてデジカメのガイドも務める。