365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
3月16日は『中学生日記』最終回の日。本日読むべきマンガは……。
『中学性日記』 第1巻
シモダアサミ 双葉社 ¥620+税
NHKにて放送されていた「中学生日記」。思春期の少年少女を描いたテレビドラマであり、そのリアルな描写が多くの視聴者に強烈な印象を残した作品だ。
この「中学生日記」が約40年間にわたる放送を終えたのが、2012年3月16日。そう、本日は同ドラマの最終回が放送された日なのである。
そんなドラマと同音タイトルにて発表されたのが『中学性日記』。
本作は“性”と入っているとおり、思春期の“性の悩み”にフォーカスした作品だ。
たとえば、いつになっても下の毛が生えてこない男の子、ほかの子よりも大きいおっぱいが気になる女の子……。
彼らに共通するのは、“他人との差”。
たしかに、思春期の頃ははみ出すことが怖かったように思う。どんな時もマジョリティでいたくて、自分のなかに他の子と違う点を見つければ必死でそれを払拭しようとしていた。
今思えば、身体の成長具合なんてどうしようもないことなのに、それすらもなんとかしようと躍起になっていたような気がする。
本作はオムニバス形式で描かれる、中学性の群像劇だ。
毎回些細なことで悩む少年少女が登場し、その空回りぶりが描かれる。だからこそきっと、読者は過ぎし日の自分自身を作中に見出し共感できるのだろう。
大人になった今となっては、くすくす笑えるエピソードが満載の本作。
あさっての方向に努力する中学生の姿を、ぜひあたたかく見守ってあげてほしい。
<文・五十嵐 大>
'83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。