90年代のスクウェア、ヤバい
――どんなゲームがお好きなんですか。
はみ 『テイルズ』シリーズとか。あとスクウェア作品。
――『ファイナルファンタジー』シリーズや『ドラゴンクエスト』シリーズですか。
はみ エニックスといっしょになる前のスクウェアですね。『FF6』や『クロノトリガー』、『ゼノギアス』なんかの頃の。
――『サガ』や『聖剣伝説』などは。
はみ 『サガ』大好きです!
――『サガ』好きは、業が深いというか、どっぷりとはまる人が多いですよね。
はみ わたし、『犬マユゲでいこう』が大好きなんですけど、そのなかで「『サガ』好きは、「『サガ』が好き」じゃなくて、どのタイトルが好きって言う」っていうのがあって。『ロマサガ3』だったり、『サガフロンティア』だったり。たしかにそういうところあるなーって。
――ちなみにはみ先生は、どのタイトルが一番。
はみ わたしは『ロマサガ3』ですね。
――七英雄のやつでしたっけ。
はみ それ『ロマサガ2』です。『3』は四魔貴族(怒)。
――失礼しました(笑)。最近は、ヴァーチャルコンソールやゲームアーカイブスで昔のゲームが楽しめますが、はみ先生も何か遊ばれたりしますか。
はみ 最近はあんまりですけど、時間あるときは『サガフロンティア』や『ゼノギアス』、あとは『幻想水滸伝』なんかはよくプレイしてましたね。
――本当にあの頃のスクウェアって感じですね。
はみ ヤバいですよね。名作多すぎ。
――そうしたゲームから影響を受けている点とかありますか。
はみ 『ユーフォ』も、その前に連載していた『少女サテライト』もそうなんですけど、群像劇が好きなんですよね。いろんな人がいて、いろんな人の考えがあるっていうのがすごい好きで。ゲームだと、だれに感情移入するかがわりと自由なところがあって、それこそ『FF6』とか自分の好きなキャラクターに感情移入してプレイできるじゃないですか。そういうところは、ゲームから影響を受けているところかも。
――群像劇がお好き。
はみ はい。なにげない会話をする時にも、それぞれの立場、考え方があるっていうところが。ちょっと日常会話でもキャラによって言うことが違う。たとえば『ユーフォ』だったら、夏紀先輩ってああ見えてすごい面倒見がよかったり、1年生は自分の主観でしかものが見えてなかったり、自分のことばっかり話すとか。低音パートの2年生は、みんな面倒見がよくって。話もきいてくれるし、気もつかってくれて、意外と突き放さない。あすか先輩は突き放すけど。大事なシーンじゃなくて、ちょっとした会話のなかでそういうキャラ性を描けたらうれしいですね。
――そのために意識されていることとかありますか。
はみ キャラの裏側を考えるということでしょうか。わたし、ゲームの攻略本とか設定資料集が大好きで、ガンガン読み込むんですけど。本編で描かれてないけど、じつは……みたいなのが好きなんです。『少女サテライト』でも描かなかったことがけっこうある気がします。
――キャラへの愛が深いですね。ふだん、マンガを描かれる時は、キャラから作るんですか。
はみ いや、マンガを作るときはお話から作ります。
――これまでのお話からすると、ちょっと意外ですね。
はみ いつもお話のラストが最初に浮かんで、そのあとに最初。「起承転結」でいうと「承転」を考えるのが本当に苦手で。そこをあーだこーだやっているうちに、だんだんキャラへの気持ちが大きくなっていく感じは、ゲームに近いかもしれないですね。それでキャラクターが勝手に動きだしてくれたら、もうだいじょうぶ。『ユーフォ』もだいぶ動いてくれてます。