予想外にかわいくなってきた理央、謎の天然キャラ・和臣
――理央は当初はクールで要領よく立ち回る子なのかと思っていたのに、けっこう感情を露わにすることがわかって意外でした。でも、そこがかわいいです。
咲坂 最初は、そんなつもりでもなかったんですけど理央は自然にそうなっていっちゃったんですよね。まあ、高校生らしいところがあったほうがいいかなとも思いますし。
――キャラが予想外の方向に動いちゃうことってけっこうあるんですか?
咲坂 あります、あります。回数を重ねていくうちに自分のなかでもキャラクターがつかめてくるんですが、想定していた流れにキャラクターがうまく乗ってくれないことがあるんです。いやがるというか予定どおりにしゃべってくれない……みたいな。しっくりくるようにしたら、理央がああなっていったというか。4巻の終わりで、理央が由奈の夢を見て、起き抜けに赤面しちゃうシーンは、かわいくて気に入ってます。
――ここは……だまされましたねぇ、見事に。そこまでの流れでは、これは由奈の見てる夢だろうと思っていたのに!
咲坂 「理央くんの夢が見れますように」と由奈にいわせておきましたからね。
――全員だまされますよ! ニクい演出です(笑)。それにしても、一番謎めいていたのは和臣ですよね。いたって普通に見えるのに、内面が読みきれないというか。
咲坂 それは私も感じてました(笑)。メインキャラ4人のなかで唯一、和臣のモノローグだけは5巻まで出してないんですよ。
――あ、なるほど!
咲坂 だから余計つかみづらかったと思うんですけど、そろそろ、この人の頭のなかを見せていきますよ。モノローグって大きいんですよ。モノローグを書くと、私自身も和臣がさらによくわかるようになるんですね、不思議なことに。この子、こういうふうに動きたい子なんだなと……。主人公以外のモノローグはあまり出すべきじゃないといわれたりもするんですけど、群像劇だからまあいいのかな……。
――和臣って目立つのは好まないけど、ことなかれ主義ではないですよね。いうべきところではズバッとキメる。
咲坂 ついかばっちゃったりするのは彼の素の性格だと思います。
――朱里からしてみれば、なんだか思わせぶりなことをいったりするのは?
咲坂 恋愛に関しては本当に天然だと思います。意図的に抑えてるところもあるかもしれませんが……だからわかりにくいキャラクターなんですよね。
――好意を示すのも、厳しいことをいうのも平常運転の顔でサラッと、ですよね。さきほどのシーンで、朱里の噂を鵜呑みにした由奈の心の矛盾をズバッと突くのも和臣でしたが。
咲坂 和臣はのんきな顔して意外とコワいこというんですよね。
――和臣の「一般論持ち出してそれっぽく怒ってるけど」「本当は違う事にイライラしてる様に見えるけど」というセリフ、刺さりました。やりがちですよね、自分の主張なのに「ふつうは」っていっちゃうこと。
咲坂 これ、けっこうやっちゃうんですよねー。
――咲坂先生ありがとうございました! この続きは、インタビュー第2弾で!
取材・構成:粟生こずえ
咲坂先生のインタビュー第2弾は、3月24日(金)アップ予定です!! 第2弾では、気になる最新第5巻の見どころに迫ります! お楽しみに♪
咲坂先生の『思い、思われ、ふり、ふられ』もたっぷりご紹介している
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