第4位(78ポイント)
『聲の形』 大今良時
『聲の形』
大今良時 講談社
聴覚障害がもとでいじめを受けていた少女・西宮硝子と、いじめの中心人物だったもののそれが原因で周囲から孤立していく少年・石田将也の2人が、孤独と絶望のなかでお互いへの想いをつむいでいく。
ともすると敬遠されがちなテーマに、真摯に向きあう作者の姿勢が多くの共感を得ました。
オススメボイス!
■衝撃! 壮絶!! 涙なしに読むことはできないです!(八尾美映子/三省堂書店神保町本店コミック担当)
■この先の展開が気になってしょうがありません! 少年・少女たちのそれぞれの思いは……。(旭屋書店 なんばCITY店平田/旭屋書店 なんばCITY店コミック担当)
■はじめて将也と結絃以外の視点で物語が描かれ、硝子の内面が描かれる。物語中に置かれた数々のしかけが結実し、クライマックスに突入していくムードを一気に高める。フキダシ内の文字を削ったり、フォントを変えることで聴覚をあらわすなど、実験的な表現方法も。(加山竜司/フリーライター)
■はるかな昔の軍国少年時代、「死ぬ」ことしか考えていなかった自分を思い出す。ああ「生きる」とはこういうことだったのだ。(辻真先/ミステリ作家アニメ脚本家)
「日刊マンガガイド」での既刊(第4巻)ご紹介は、コチラ!!
第5位(56ポイント)
『りとる・けいおす』 涼川りん
『りとる・けいおす』
涼川りん 双葉社
転校生の伊藤ゆずは、新しい小学校で友だちができるか不安だったが、あきちゃんとうきっぺの2人が声をかけてくれたことで3人で行動することになる。
なれなれしいがちょっと天然のあきちゃんと、クールでマイペースなうきっぺに囲まれてゆずが送る日常のシュールさが話題になりました。
オススメボイス!
■ギャグマンガの新境地をいく小学女児のカオスな日常譚。先入観抜きに読んで衝撃を受けていただきたい。(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
■無邪気に陽気で狂気なお子様たちの会話が癖になります。時々見せるシリアス顔とのバランスも絶妙で愉快。(杉山陽一/COMIC ZIN秋葉原店 コミックバイヤー)
第6位(48ポイント)
『あれよ星屑』 山田参助
『あれよ星屑』
山田参助 KADOKAWA/エンターブレイン
引き揚げ兵の黒田門松とかつての上官・川島徳太郎の、焼け跡の東京での出会いを描いた第1巻からさかのぼって戦時中の黒田たちを描く。
当時の軍隊内部の人間関係や死生観、生々しい性までもが緻密に描かれ、映画を鑑賞しているかのような読後感が好評だったようです。
オススメボイス!
■「死にぞこない」の男たちの戦後を描いた1巻から、物語はさかのぼり戦中へ。「戦争と性」をリアルに描きつつ、映画のような叙情性は2巻も健在。(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)
■1巻の雰囲気とガラリと変わった戦中編。2巻を読んでから1巻を読み直すとまったく違った風景が広がる。すごすぎる。(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
「日刊マンガガイド」での既刊(第1巻)ご紹介は、コチラ!!