第4位(104ポイント)
『辺獄のシュヴェスタ』 竹良実
『辺獄のシュヴェスタ』
竹良実 小学館
魔女狩りの嵐が吹き荒れる16世紀の神聖ローマ帝国。
貧しい家に生まれ、人買いに売られた少女・エラは、そこを逃げ出し、薬草で人々を治療する女性・アンゲーリカのもとで暮らし始める。
懲罰、拷問、迫害、人身売買があたりまえに行われる世界で、強く生きようとする少女・エラ。しかし、魔女狩りの指揮をとる修道会に、命の恩人・アンゲーリカが魔女ではないかと疑われてしまう。アンゲーリカを失いたくないエラがとった行動とは……!? そして彼女を待ち受ける残酷な運命とは……!?
2013年に「スピリッツ賞」(小学館)を受賞した新鋭による大スケールの物語が、早くも読者の心をつかみました。
オススメボイス!
■少女の復讐劇。新人離れした物語の力に圧倒される(芝原克也/日本出版販売 コミックチーム チーフ)
■魔女狩りに端を発する復讐の物語。ダークで重いストーリーながら展開に惹きつけられるものがあり、続きを早く読みたい期待の作品(麻野昌三/わんだ~らんどなんば店店長)
■過酷な運命にも折れない主人公・エラの強靱さに圧倒される(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
■動機づけにしても、戦い方にしても、とにかく目が離せない主人公(加山竜司/フリーライター)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第5位(98ポイント)
『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』 清野とおる
『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』
清野とおる 講談社
死んだ魚のような目をして退屈な日常を過ごしていた著者はある日、それぞれの「おこだわり」をもって喜びに満ちた日常を送る「おこだわり人(びと)」に遭遇する。
日常を豊かに生き抜くヒントを求めておこだわり人への取材を重ねるルポマンガ。
退屈な日常とそこに隠れたささやかでパーソナルな喜びを描いたノンフィクションで、著者の鋭くあたたかい着眼点には感心せざるをえません。
オススメボイス!
■日常生活のなかで、別にこだわらなくてもいいことにあえてこだわり、そこに自分だけの幸せを見いだしコソコソと楽しんでいる輩(やから)を「おこだわり人(びと)」と呼び、取り上げた作品。こだわりの対象物は大きく分けて「食」と「それ以外」。ポテトサラダ、白湯!、コンソメパンチの偏愛ぶりがおもしろおかしく描かれる。個人的にはこれぞフェティシズムな「内ポケットの男」編が最高でした(今村方哉/レコード会社勤務)
■『東京都北区赤羽』を筆頭とする街モノ以外で、清野の代表作となることは必至の「おこだわり」モノ。だれにも知られずに密かに楽しんでいる「おこだわり人」を拉致して清野が尋問し、そこのおこだわりを実践する、渾身のドキュメンタリー。固有名詞をごまかさず、しっかりと明記されている点も拍手喝采だ(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
■人殺しや暴行とは無縁のサイコパスたち。それは肉親や隣人、会社の同僚のことでもある。外人がいると近くに寄って匂いを嗅がずにいられない私がそうかもしれない(侍功夫/映画評誌「Bootleg」代表/映画ライター)
■奇人を描く奇才作家。観察眼がいいのか、常人とはチャンネルが違うのか、変人を描くのがうまい(太田和成/あゆみBOOKS五反田店コミック担当)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第6位(84ポイント)
『ブラッククローバー』 田畠裕基
『ブラッククローバー』
田畠裕基 集英社
魔法がすべての世界。生まれながらに魔法が使えない少年・アスタは、己の力を証明するため、そして友との約束を果たすために、魔道士の頂点“魔法帝”を目指す。
創意に満ちた王道的ファンタジー世界観のなかで、いわゆる「ジャンプ」的性格のキャラクターを、縦横無尽に動かすストーリー構成の巧みさが、注目されました。
オススメボイス!
■「週刊少年ジャンプ」のメインテーマ「友情・努力・勝利」をとことん詰めこんだド直球王道ファンタジー!(宮脇書店本店/コミック担当)
■少年マンガど真ん中! 勢いすげぇ――!(竹下典宏/まんだらけコンプレックス店長)
■最近1巻の単行本がドカドカ発売されていますが、そのなかでもおもしろかったです。売り切れるほど勢いがありますね(吉村ルミ/芳林堂書店 高田馬場店)