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【9月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】異種族恋愛……細胞擬人化……ちょっとおかしなことになってないっ!?

2015/08/20


第4位(128ポイント)

『ファンタジウム』 杉本亜未

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『ファンタジウム』
杉本亜未 講談社

サラリーマンの北條英明はある日、亡くなった手品師の祖父の弟子を名乗る少年・長見良と出会う。
良のマジックの技術に魅せられた北條は、その才能を開花させるべく彼をひきとってプロのマジシャンに育てあげようと決心する。

およそ1年のブランクを経ての最新刊にして完結巻が発売。良の才能だけでなく、世間からの偏見も受け入れて生きていくことを決めた北條の生き様に、共感が寄せられました。

オススメボイス!

■ついに完結! 人の心の不思議、そして勝ち負けとは別の価値観・世界観を強く感じさせてくれた物語。異質な存在を排除しがちな今という時代に広く読まれてほしい作品(川原和子/マンガエッセイスト)
■すばらしい最終巻。一時連載がストップしていたので心配していたのだが、その心配を一掃する出来。「僕は生まれつき字の読み書きができません」のセリフに泣きました(恭文堂コミッククラフト店 早川博志/書店員)
■連載がいったん止まってから作品の雰囲気が少し変わりましたが、こういう終わり方もこの作品らしくていいなと納得。ちゃんと完結してくれてたいへんうれしいです。マジックを題材にした希有な傑作だと思います(アキミ/ブログ「ボーイズラブを読む!」管理人)
■感動の完結巻。本作のような、強いフックはなくともとてもすぐれた作品が、ちゃんと売れるようなマンガ界であってほしいと願います(小田真琴/女子マンガ研究家)


第5位(120ポイント)

『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』 渋谷直角

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『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』
渋谷直角 扶桑社

奥田民生に憧れる雑誌編集者・コーロキが一目ぼれしたのは、ファッションプレスの美女・天海あかりだった。
もう35歳、けっして若くはないとはわかっていながら、仕事にも恋にも迷う人生を歩むコーロキは、奥田民生のような「力まないカッコいい大人」を目指す。

「自意識の不良債権」とされた著者の前作『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』。そこからさらに一歩踏みこんだこじらせた大人たちが“人生と向き合っていくさま”を語るマンガとして、思い当たるフシがある大人たちの心に刺さりまくっているようです。

オススメボイス!

『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』から2年。渋谷直角の最新長編マンガ。前作では実際にいそうなだれかをまるで馬鹿にするような節があり、それがいちいちリアルで笑えたのだが、今作は直角さんにしか描けない新ジャンルの確立といえる、一見前作の続きのようでまったくそうではない人生論を描いているところが特徴である。ポップ・カルチャーの洗礼を浴び、毒にやられてしまった人々の迷いと狂ってゆく様は巷間語られる浅薄な作品ではなく、本気で答えのない人生の命題に挑戦した作品と感じた。装丁とラストのセリフには読後動けなくなるほど深い感動を憶えた。これは直角さんの最高傑作である(今村方哉/レコード会社勤務)
■「はいはい、またまた直角のサブカル冷笑モノね」みたいなカッコ悪いスルーは非常にもったいない。唯一無二のディテール抽出に今回も感服させられた。2014年~2015年という時代を切り取った貴重な作品として20年後にも読まれているだろう(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
■「何が敵で何が味方か」みたいな細かいトコの深読みよりも、従来のマンガとはまったくかぶらない、ブラッディーなマンガ文法がこの作品で完成していることにえらく興奮した。今の漫画家志望者は、こういうのをちゃんと読んだほうがいいんじゃないでしょうか(大西祥平/マンガ評論家)
■前作同様、斜め目線のアイロニカルなサブカル批評!? と思いきや、ものすごくまっすぐな著者の私小説的告白、なのか?(井口啓子/文化系ライター)
サブカル地獄変。「TOKYO」という字並びが持つ引力に惹かれ、墜落するように上京した人たちで構成されているのが、「東京」という街であることを見抜いた作者の目のよさ(侍功夫/映画評誌「Bootleg」代表/映画ライター)


第6位(72ポイント)

『マドンナはガラスケースの中』 スガワラエスコ

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『マドンナはガラスケースの中』
スガワラエスコ 実業之日本社

爬虫類に性的に興奮する「オフィディシズム」という特殊性癖の持ち主・山本裕也は、爬虫類専門のペットショップで働く32歳。
彼のお気に入りはヒョウモントカゲモドキの「ゆり」だったが、ある日店に同じ名前を持つ少女・由莉がヤモリを飼いたいと訪れたことから、裕也の生活は大きく変わる。

大人びているのに小学6年生という少女の妖しい魅力にとらわれていく主人公の危うさ、そして、それをもよしと思えるような魅力にあふれています。

オススメボイス!

■とにかくヒロイン由莉ちゃんの幼くも妖しい魅力にクラっとすること間違いなし! 作中に出てくる爬虫類もリアルだけどキュートに描かれているし、主人公の根暗な雰囲気もいい味出してます。男女問わず、ぜひ読んでみてほしい作品です(漫画トロピーク/謎の社会人漫画サークル)
■正直このご時世に小学生相手の欲望発散を一般マンガで描くことに仰天! こちらはトロリと濃厚ミルクセーキを……超タマランチ会長! だが飼ってる作者らしく両爬と両爬好きの生態、餌の乗り越えなど両爬あるあるがキチンと描かれて大好感(澤水月/報道勤務、ライター、平山夢明mixiコミュ管理人)
■爬虫類マンガ!? と思いきや…。とにかく由莉ちゃんがかわいすぎる……。裕也さん同様ロリコンデビューしそうで怖いです……(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店 店長)

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単行本情報

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