第4位(106ポイント)
『たそがれたかこ』 入江喜和
『たそがれたかこ』
入江喜和 講談社
45歳バツイチで、老いた母と娘の3人暮らしをしている片岡たかこは、ままならない日常を送るなかで、生まれて初めて大好きなミュージシャンを見つける。
いろんな悩みを抱えながらも、そのミュージシャン・谷在家光一のライブにいくことを決心したたかこは、若い娘たちに囲まれてついに光一とのリアル対面を果たす。
自分らしい人生を生きづらい中年女性の、閉塞感から開放される瞬間の叙情的な描写は必見です。
オススメボイス!
■「ライブ編」と呼びたくなる巻。なにか/だれかのファンになる、ということの激しい高揚を追体験!ライブ苦手な私も、ミュージシャンと観客の独特の距離の近さも含めて堪能。オトナのたかこと中学生男子の友情にも泣けました(川原和子/マンガエッセイスト)
■いま一番ロックな作品といえばこれではないでしょうか。巻の半分をまるっと使って描かれたライブシーンは圧巻(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)
■たかこのかわいさが加速気味でたまりません!(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
「日刊マンガガイド」での既刊ご紹介は、コチラ(第2巻)とコチラ(第4巻)!
第5位(82ポイント)
『あとかたの街』 おざわゆき
『あとかたの街』
おざわゆき 講談社
戦争をどこか自分の生活には影響のないもののように感じていた、青春まっさかりの少女・木村あい。しかし、戦争は否応なしにあいたちの日常を変えていく。そのときにあいが感じたものとは……?
時代はいよいよクライマックスの昭和20(1945)年3月19日、「名古屋大空襲」を迎えた。冷えこみも厳しい深夜になって名古屋市街地上空に飛来したB-29爆撃機230機は、無差別に、普通に暮らす市民たちに牙をむく!
2015年度の第44回日本漫画家協会賞コミック部門大賞受賞作が堂々のランクインです。
オススメボイス!
■昭和20年3月19日の名古屋無差別空襲の夜を、一冊まるまる使って描いている。おなじ夜、ぼくも焼夷弾と戦ったので、ひとごとではない。マンガの力を思い知った(辻真先/ミステリ作家・アニメ脚本家)
■ついに始まった名古屋大空襲。伝統的で安心感のあるコマ運び(圧縮と解放)で、空襲のスペクタクルを臨場感たっぷりに描ききる。擬音(書き文字)のうち、金属音の表現のエッジの効いた感じも怖さを増大させる(加山竜司/フリーライター)
■次々とあいたちに押し寄せる空襲、地震……。そしてあいは妹・ときの疎開先・岐阜へ。幼いときが弱りはてている姿に胸が打たれる。まだ3月。終戦を迎える8月までにあいたちはどうなってしまうのだろうか。痛む胸をおさえて、見守りたい(黒谷貴清/フリー編集者)
「ロングレビュー」でのご紹介は、コチラ!
「日刊マンガガイド」での既刊(第3巻)ご紹介は、コチラ!
第6位(80ポイント)
『10ミニッツ メイド』 水寺葛
『10ミニッツ メイド』
水寺葛 講談社
ジュースのフタを開けると飛び出してきたのは“10分間だけすべて望みを叶えてくれる”夢のようなメイドだった……。
「お初にお目にかかります、ご主人様。なんなりとお申し付けくださいませ」と言って、メイドは様々な女性たちの願いや欲望を満たしてゆく。
無表情ながら機知に富み、主人の心に何かを残す言葉を与えてくれる10ミニッツメイドと人々の交流を描いたバラエティ豊かなショートストーリーが話題を呼びました。
オススメボイス!
■ジュースの蓋を開けるとそこには10分間だけ望みを叶えてくれるメイドさんが……。10分のうちにメイドさんの助言でお悩みも解決!(旭屋書店 なんばCITY店 平田/コミック担当)
■まずは装丁がすばらしい。さすがはコミティアなどで活躍されてきた方作者! 短編のどれもが読者のツボをついてくるようなオチになっている(トロピカルあいこ/ライター)