第4位(72ポイント)
『オタシェア! ~エロゲ女子×腐女子×ルームシェア~』 小針タキ
『オタシェア! ~エロゲ女子×腐女子×ルームシェア~』
小針タキ フロンティアワークス
重度の田舎住みオタク・小針タキは、オタ友・さよりがルームシェアを解消したことを聞き、さんざん悩んだのちに次のシェア相手を申し出る。
ここに、女子力高めのエロゲーマー(ロリ専門)と大雑把でちょっぴりネガティブ腐女子の奇妙な同居生活が始まった!?
イラスト投稿サイトで話題を呼んだエッセイがついに単行本化。萌え語り、カプ争いそして修羅場……オタ女子2人のシェアライフに、思わずプッと噴き出してしまいます。
オススメボイス!
■「さより」のプロフィール&本作中での言動が心に残る。司書で、児童文学・民俗学大好きで、しかもエロゲ(ロリ系)好きって、おまえ……(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■レイヤーの違うオタクがシェアして、ひとつの場所に住むという話。昔よりオタクの細分化が進み、同じオタクでもかなりレイヤーの違う人種も増えてきた。それゆえの価値観の違い、趣味の違い、そんなすれ違いを楽しもう!(稀見理都/美少女コミック研究家)
第5位(70ポイント)
『吉野朔実作品集 いつか緑の花束に』 吉野朔実
『吉野朔実作品集 いつか緑の花束に』
吉野朔実 小学館
さる2016年4月20日に急逝した著者の、ネームなどでのこされた遺稿を含む作品集。
表題作の『いつか緑の花束に』と『MOTHER』といった読み切り2作品に加え、未公開ネームやインタビュー、カラーイラストギャラリーなどで著者の功績をたどる記念碑的コンテンツ。
あたかも生命を書き残すかのような筆致が残るネームなど、普段お目にかかることのできなかった著者の“仕事”に触れる機会に、逝去をいたむ声とその業績を讃える声多数です。
オススメボイス!
■たくさんの素敵な作品をありがとうございました。(小田真琴/女子マンガ研究家)
■最後の作品集だからというだけで価値があるのではない。SFの意匠を借りた「MOTHER」には、優れたサスペンス作家でもあった吉野朔実のエッセンスがよく現れていると思う。登場人物が熱弁をふるったら、それが彼らの内面となる的な安易さとは対極であるような厳しい視線が、箱庭として描かれた世界に一筋縄ではない緊張感をもたらしているのだ。反面、サスペンスのような足どりでロマンティックなラブコメへとたどり着いていく表題作には、非常に少女マンガ然とした輝きが見られる。ほほえましいまでの幸福も凍えるほどの孤独も、生も死も、この作品集につまっているものなのである(森田真功/ライター、ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
「ロングレビュー」でのご紹介は、コチラ!
第6位(64ポイント)
『ガイコツ書店員 本田さん』 本田
『ガイコツ書店員 本田さん』
本田 KADOKAWA
本田さんはスカルヘッドの書店員。
こう見えても彼はカミブクロや狐面、ガスマスクなど様々なかぶりものの店員たちと日夜がんばるまじめな書店員なのだ。
実際に書店に勤務している人でなければわからない細かい「あるある」と、コミック売り場を舞台に展開する様々な異文化コミュニケーションの数々に笑ったり、感心したり。日頃お世話になっている本屋さんにエールを送りたくなる作品です。
オススメボイス!
■書店で仕事をしたい人は必見です。一度は経験する内容ばかりです(平田/旭屋書店なんばCITY店 コミック担当)
■書店員の知人が複数おり、よく聞かされる愚痴も多く含まれ、おもしろい。ちょっと外見と送り先が「特殊」なお客様の回に爆笑。水木翁逝去数日後のバックヤードの話も興味深い、魔術師さんはどうやって増本させるのか!? おまけマンガで打ち明け話を書こうと、最後の最後まで載せようと本田さん、上司、さらに上層部まで努力するも、炎上回避で没になる……という経緯を書くのを許してくれるのは懐が深いなぁ(澤水月/報道勤務、ライター、平山夢明mixiコミュ管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
第6位(64ポイント)
『スーパーヒロインボーイ』 ぱらり
『スーパーヒロインボーイ』
ぱらり 実業之日本社
高校生・大石わたるは、授業をサボり、学内でタバコを吸い、校外では暴力さえ振るうような不良。
そんな空虚だった彼の青春は、女児向けアニメ「アリス少女隊☆シャイニーハート」と出会ったことによって、大きく変化していく。
ゴリゴリの不良高校生がなんとガールズ御用達のアニメにハマるという、“何かやらかして”くれそうな基本ストーリーに引きこまれます。
オススメボイス!
■不良による女児アニメもの(?)。いわゆる『プリキュア』的なものにバリバリの不良がハマっていく、というのはおもしろいですね。食玩を集めたりショッピングモールのショーまで見に出かけたりと、そこまでやっても悶えながら、「シャイニーハート」を否定し続ける大石わたるは本当に不良なのかな?(笑)(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)