話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『孤独のグルメ』
『孤独のグルメ』第2巻
久住昌之(作) 谷口ジロー(画) 扶桑社 ¥920+税
(2015年9月27日発売)
ドラマ『孤独のグルメ Season5』がいよいよスタート、原作マンガのほうも待望の新刊が18年ぶりに発売された。
いまやグルメマンガは花盛りだが、1994年(※雑誌掲載)に登場した本作こそその先駆けといえよう。
原作者の久住昌之は、「このマンガがすごい!2012」オンナ編第1位を獲得した『花のズボラ飯』(画・水沢悦子)、食マンガの雄・土山しげるとタッグを組んだ『漫画版 野武士のグルメ』、『荒野のグルメ』とヒット作を連発。
一方、マンガを担当するのはフランスをはじめ海外での評価も高い、谷口ジロー。
作風は幅広いが、淡々としつつ粋なハードボイルドタッチが最大の持ち味だ。そこここに香るそこはかないユーモアにニヤリとさせられる手練れの作家である。
さて、18年ぶりの続刊とはいえ……主人公・井之頭五郎の気持ちいい食べっぷりはあいかわらず健在!
個人で輸入雑貨商を営む五郎は日々、あちこちの町を歩きまわっている。ひと仕事終えて、空きっ腹を抱え……さあ何を食べようか? 五郎の楽しみは、その日その時の気分にしっくりくるものを食べることだ。