寒空の下、書店から急ぎ足であったかい部屋に帰り、買ってきたマンガを取り出してゆっくりと楽しむ……そんな冬ならではの読書体験も、もうすぐ終わりそうな今日このごろ。『このマンガがすごい!』では、今月もランキングを大発表!
オンナ編は、第6位以降の作品がデッドヒートを繰り広げ、全部で11タイトルがランクイン! ベストテンならぬベストイレブンとなりました。
特に第1位と第2位の作品は、普段あまりオンナ編には入らないタイプの作品なので、気になる人は多いかも。ぜひチェックしてみてください!
(2014年12月1日~12月31日発売作品を集計)
第1位(138ポイント)
『ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonniere』 鶴田謙二
『ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonniere』
鶴田謙二 白泉社
地中海、ベネチア、どこかの廃墟……。黒髪ストレートヘアーの女性が、自由奔放に裸で猫と戯れる様子を美麗なタッチで描く。
明確なストーリー進行よりも、シチュエーションと卓越した画力で、まるでサイレント映画のようにキャラクターの生き生きとした姿を描いています。著者の真骨頂といえる、「健康的なセクシーさ」に魅了された人が続々です!
オススメボイス!
■「綺麗でぐうたらで裸なお姉さんは好きですか?」という問いに「大好きです!」と大声で答えたくなる、そんな作品。裸のお姉さんと猫と廃墟、圧倒的なまでに素敵です(杉山陽一/「COMIC ZIN」秋葉原店 コミックバイヤー)
■健康的な陰毛をだらしなく茂らせただらしないお姉さんが、かわいい猫とイロイロする話です。何もまちがったことは言っておりません。陰毛のすばらしさを説きたくなりますね(さすらい/ブログ「(怒りの以下略)」管理人)
■鶴田謙二の裸女もの。マンガというより画集といった雰囲気ですが、猫と裸女という組み合わせはエロティシズムとは別に何か幸せな気分にさせてくれますね。(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)
■鶴田謙二先生の新刊は裸女祭り! というか近年そのイメージがなんか強いです。安定の1冊(麻野昌三/「わんだ~らんど」なんば店 店長)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第2位(72ポイント)
『溶解教室』 伊藤潤二
『溶解教室』
伊藤潤二 秋田書店
転校生のイケメン眼鏡男子・阿津夕馬。すこし影のある彼は、じつはささいなことでも過剰に謝り続ける「謝罪魔」だった……。彼が人々に謝り続ける理由は? そして夕馬の妹・ちずみの奇行の先に待つ惨劇とは……!?
どこかしらユーモアを持ったホラー描写で、男女問わずファンの多い伊藤潤二の最新作。過激なまでのキャラクター造形、そして驚愕のラスト……と、「黄金期の伊藤潤二ホラーが帰ってきた!」という声が多数あがりました。
オススメボイス!
■ついに完全復活! あいかわらずのシュールなギャグセンス、カオティックな結末に脳が溶けました(井口啓子/文化系ライター)
■双葉双一以来のキャラ=ちずみが最高すぎ! とくに「ちずみの恋」編にヤラれました(今村 方哉/レコード会社勤務)
■俗に言う「土下座マンガ」の完成形! 完成形というか、これはどう考えても謝った結果としておかしい! どうなってんだ!!(劇画狼/漫画始末人・おおかみ書房代表)
■往年のファン的には賛否両論ありそうだけれども、伊藤潤二作品に「やりすぎの美」のみを求める筆者としては文句なし!(大西祥平/マンガ評論家)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第3位(54ポイント)
『Landreaall』 おがきちか
『Landreaall』
おがきちか 一迅社
アトルニア王国の西端・開拓地エカリープの王子、DX・ルッカフォートは、妹のイオンとともに王都フォーメリーの「アカデミー」こと王立学院高等部に編入学する。王位継承候補者である彼らは、入学早々様々なトラブルに巻きこまれることに……。
高い女性人気で知られる、架空の国を舞台にしたファンタジーです。今回のアンケート期間中に発売された最新巻は、第25巻というロングヒット作品! 根強いファンからの票が多く集まりました。
オススメボイス!
■まさかの、主人公が奴隷として売り飛ばされて、鎖で繋がれるターンです。どんな立場にあってもブレないDXの意志には毎度しびれます(アキミ/ブログ「ボーイズラブを読む!」管理人)
■もう25巻、まだ25巻。長く親しんできた人たちだけでなく、未読の人にもオススメできる巻数が、ちょうどこれくらいの時期……かも(穂高茉莉/楽器店従業員)
■大長編は、どこで勧めるかというタイミングに迷うが、この作品はいつだって「いいから読み始めろ!」と言える(soorce/オヤジ漫画系ブロガー)