第4位(50ポイント)
『その娘、武蔵』 田中相
『その娘、武蔵』
田中相 講談社
中学生ながら身長180センチオーバー、将来を期待される女子バレー選手・兼子武蔵。
しかし彼女は「イミないから」という理由である日、バレーをやめてしまった。
周囲の期待が重荷となってバレーをやめてしまった武蔵が、あるきっかけを機に、バレーへの情熱をとり戻し、成長していく物語に。青春時代のつまずきは物語を生み出す永遠のテーマなのです。
オススメボイス!
■一番キラキラしている青春。その感情の起伏をきれいに切りとってきちんと描いている。体格は恵まれているがメンタル的に弱い主人公が、先輩や友人にもまれて少しずつだが成長していくさまが、もどかしくもいとおしい(あゆみBOOKS五反田店 太田和成/コミック担当)
■バレーマンガだったら今は『少女ファイト』、というなかで、あえてのバレーもの。こちらの主人公は、特別扱いされたことで自分が浮いてしまい、仲間と同じ気持ちになれないことで悩んでしまった天才であり、『少女ファイト』とはネガポジの関係にあるような物語であった。(happysad/マンガ一巻読破管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第5位(48ポイント)
『さんかく窓の外側は夜』 ヤマシタトモコ
『さんかく窓の外側は夜』
ヤマシタトモコ リブレ出版
霊視能力を持つ書店員・三角康介はある日、除霊師・冷川理人に無理やり相棒にされてしまう。
冷川の霊力は、三角の身体を媒介にすることで強化できる。ただ、冷川が三角にふれるたびに、三角にはとんでもない快感が襲いかかって……!?
ジャンルとしてはBLなんですが、直接的なカラミがなくオカルト的な要素も含まれているため、同ジャンルへの指向性が比較的薄い人にも、楽しんでいただけたようです。
オススメボイス!
■エロっ! 心霊退魔=性感、だが直接描写ゼロのBL。斬新さは1年待った今巻でも健在。ひとりで「してる」最中何を考えて……? あんたのこと考えてやったらうまく……ワー! 片方ノンケだが2人のがうまく発動するところを女がかきまわしてくるとか『日出処の天子』の現代版か(あちらの雨乞いもモロそれ描写だった)。霊的ボンデージ執着とか無意識ガバガバとかもうたいへん。そしてこのシンプルな描線での魔描写が寝こむレベルに怖いのがすごい、不意打ち……。忘れてたけど、本屋さんものでもあるんだっけ。しかし、次は年末か!? 新聞での紹介がなければ出会わなかった作品、ありがたい(澤水月/報道勤務。ライター。mixi平山夢明コミュ管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第5位(48ポイント)
『パーフェクトワールド』 有賀リエ
『パーフェクトワールド』
有賀リエ 講談社
インテリア会社に就職した川奈つぐみは、高校時代の同級生・鮎川樹と合コンで出会う。
初恋の相手との再開にときめくつぐみだったが、車いすに乗る樹姿の姿を見て彼女は「彼との恋愛は無理だ」と考えてしまった……。
障害を持つ相手との恋愛に感じるハードル、という、表だって主張することが難しいテーマへに対しての真摯な取り組みが高い評価を受けました。
オススメボイス!
■車いすの男性との恋愛を真正面から描いた物語。扱いの難しいテーマですが、車いすの相手とつきあうたいへんさを丁寧に描き出すとともに、恋愛ものとしてのトキメキも忘れず投入し、読ませる物語となっています。注目の新作揃いの2月でしたが、なかでもお気に入りの一作(いづき/ブログ「オトコでも読める少女マンガ」管理人)
■主人公・川奈も、主人公の好きになった車いすの男性・樹も前向きな性格なので、自然と2人を応援したくなります。そのほかの登場人物もみんな芯がとおっていて、読んでいてすがすがしい気分になれます。1巻の終わりに、2人の関係が恋に発展しそうな描写があったので、次巻では2人が甘い雰囲気になるのを期待しています(穂高茉莉/楽器店従業員)