第4位(70ポイント)
『聲の形』 大今良時
『聲の形』
大今良時 講談社
主人公・石田将也と、耳の聞こえない転校生・西宮硝子の出会い。将也が硝子をいじめ、さらにいじめの対象が硝子から将也へと移り……紆余曲折を経て、少しずつ歩み寄っていった2人の物語が、ついに幕をおろす……。
いじめや障がいという少年誌で扱うには難しい題材に、卓抜したマンガ表現で挑んだ、本誌『このマンガがすごい!2015』オトコ編ランキング第1位作品。その完結巻に、多くの反響が寄せられました。
オススメボイス!
■聴覚障がい者をテーマに描いた本作も、7巻で完結! 重いテーマの作品というのは、その重さに作品が引っ張られがちだが、テーマに負けず、さわやかなヒューマンドラマを最後まで描ききったことは、たいへんすばらしいことだと思う(ゴロー/AV男優)
■読者に「またね」をして、2人はともに歩き出す。光ある表紙が似合う結末を読めて、ただうれしい(KT./漫画と装丁のブログ「良いコミック」管理人)
■大今さんの人物造形はシビアだ。移り変わる時を耐えぬくソフトで容赦なさ(辻真先/ミステリ作家・アニメ脚本家)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
著者へのインタビュー(前編)は、コチラ!!
第5位(64ポイント)
『決してマネしないでください。』 蛇蔵
『決してマネしないでください。』
蛇蔵 講談社
「スタントマンが燃えても平気なのはなぜ?」「切れた蛍光灯を再びともすには?」「2月はなぜ28日までしかないのか?」――理系大学を舞台に、今日も最高の頭脳を使った、最高におバカな実験が繰り広げられる!!
肩のこらないエンタメでありながら、しっかりと勉強にもなり、さらにはキャラ萌えまで! 身近な生活に根ざした科学の「なぜなに」を、マンガという表現方法で巧みに仕立てた作品です。
オススメボイス!
■理系の知識がまったくなくても楽しめるサイエンスマンガ。偉大な科学者たちのトンデモエピソードや強烈なキャラクターがおもしろすぎます(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)
■理系あるあるネタを織り交ぜつつ、科学史をメインにした内容は理系男子の大好物です! そして理系のうんちく話にも付き合ってくれるだけでなく、おもしろがってくれる飯島さんは、理系男子にとって理想女子です(フラン/ブログ「フラン☆Skin」管理人)
第6位(56ポイント)
『死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々』 阿部共実
『死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々』
阿部共実 秋田書店
十代の少年少女のモヤモヤやザラザラ、そしてときに他者や自分をも傷つけるいびつな感情を描いた、11編のオムニバス。
本誌『このマンガがすごい!2015』オンナ編ランキング第1位に輝いた『ちーちゃんはちょっと足りない』の著者による最新作が、今度はWEBランキングのオトコ編にランクイン! 『ちーちゃん』と同様、読者の心の深いところを直接刺す“イタさ”が高く評価されています。
オススメボイス!
■タイトルがとてつもなく長くて驚くが、ショート作品のオムニバス。作者の独特な着眼点とネームセンスが光る。このセンスが癖になる味わい深い作品(ゴロー/AV男優)
■とくに「おねがいだから死んでくれ」が印象に残った。悪態をつき続ける奴にはモチ、それだけ才能があるんだけど、人間大事なのはIQだけでなくEQ、そう、人を惹き付ける才能って大事なんだよなってことを考えさせられた(今村方哉/レコード会社勤務)
■『ちーちゃんはちょっと足りない』と『ブラックギャラクシー6』の2作品では、作風が白黒ハッキリ分かれていましたが、白さと黒さが同居したごちゃまぜでどう転ぶか、最後まで予想がつかないこの油断のならなさこそが阿部共実だ、と再確認しました(いのけん/麻雀マンガブログ管理人)
■『空が灰色だから』の続編的ポジションで、あいかわらずの救いようのなさなのに、不思議とこれまでにない「肯定感」あふれる傑作集。好き(井口啓子/文化系ライター)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!