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愛も暴力も何でもアリ!!「モラル崩壊の脱出不可能」マンガ ベスト10【このマンガがすごい!編集部が勝手に選ぶ】【リコメンド特集】

2018/03/23


■7位 恋愛ゲーム=デスゲーム!?

『俺の現実は恋愛ゲーム?かと思ったら命がけのゲームだった』 わるいおとこ(作) 彭傑&奈栩 (画) 夕薙 (キャラクター原案)

『俺の現実は恋愛ゲーム?かと思ったら命がけのゲームだった』 第1巻
わるいおとこ(作) 彭傑&奈栩 (画) 夕薙 (キャラクター原案) スクウェア・エニックス

ある日突然、ゲームらしき世界に入りこんでしまった長谷川亮。自分や他人のステータスが見えるようになり、セーブやロードまでできるようになってしまった。しかも睡眠スプレーや万能キーなど、犯罪臭のする便利なアイテムまで購入可能だ! そして、肝心のゲームの目的は、身のまわりの女性を攻略することらしい! つまりはギャルゲーみたいなもんだね! やっほい!
だが、亮くんがこれはHな展開があるのではと期待したのもつかの間、実際にアイテムを使って行動に移ったら即座に警察に通報されるし、時間内にゲームを完全に攻略できなければ死亡確定というたいへんなありがたくない情報を知ることに。これだけでもかなりヤバいのに、さらに最悪なのが攻略対象の女性たち。

攻略のため、秘密を探ろうとしたら、触れてはいけないヤバい情報がゴロゴロ出てくるし、さっきまで優しく笑っていたはずがいつの間にか般若のような形相に……。どう考えてもこれがギャルゲーではないことがわかった。しかし、それでも攻略をやめるわけにはいかない。だって命がかかってるもの……。

■8位 どんな組織にも欠かせない存在、それが中間管理職……!

『父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ』 みかみてれん(作) いなほ咲貴 (画)

『父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ』 第1巻
みかみてれん(作) いなほ咲貴 (画) KADOKAWA

日々、あれこれ姿やルールを変えてちまたに登場するデスゲーム。そんなデスゲームに欠かせないものはなんだろうか、参加者? もちろんそれは必要だ。報酬? もちろんそれがないとだれも参加しないだろう。だがそれよりも何よりも絶対必要なものがある。
それが運営だ。一攫千金目当てでデスゲームに参加したい人間がいくら集まろうが、それを開催する運営スタッフがいなくてはデスゲームは成立しないのだ!

というわけで、そんなデスゲームの運営する人にスポットライトを当てた本作品。
主人公となる黒崎鋭司はデスゲーム運営会社に勤めるサラリーマン。愛する妻と娘には仕事のことを内緒にしながら、これまで様々なゲームを企画しのし上がってきた男だ。
しかし、決して順風満帆な生活を送っているわけではない。システム開発者が暴走してゲーム初日に参加者の99.9%をリタイアさせたり、娘の友人がデスゲームに参加してしまったりとトラブルの連続だ。そんな苦境をハッタリとアドリブで切り抜ける姿はまさに敏腕サラリーマン。職業倫理的にはややアウトなことも行っているが、そんなことをいったらデスゲーム運営自体が、世間のモラル的にアウトだから気にしてはならない。たとえ世間から後ろ指をさされ、上司や部下からプレッシャーをかけられようとも、お父さんは家族のためにがんばらねばならないのだ!

■9位 キャラが立ちまくった女100人による究極のデスゲーム!

『死.tv』 カネダカズヤ

『死.tv』 第1巻
カネダカズヤ 小学館

大人気ジャンル・デスゲームがついにあの少年誌の王道「コロコロ」にも登場! いや、コロコロといっても「コミック」じゃなくて「アニキ」のほうだけど……。
世界中のVIPだけが見れる裏の動画配信サイト――死.tv(デスドットティービー)。そこで配信されるのは、素人の女性たちが命を賭けて行うデスゲーム。勝者はあらゆる願いが叶えられ、敗者に与えられる者は死オンリー!
そんなゲームに参加する主人公は、冤罪で捕まった女子中学生の阿修羅野まりあ。あらゆる苦難を愛用のバットで文字通り打開する最強の野球少女だ。

そんな彼女の前に立ちふさがるのはチェンソーを振りまわすコスプレ女、マシンガンを2丁同時に構える殺し屋、殺人ロボットに鉄球を振りまわすお嬢様など、とにかくクセ者ぞろい。そんな変人たちが、テンポよく次々殺しあう。デスゲームなので、当然死人はたくさん出るのだけど、絵柄がコミカルなのでそこまでエグさは感じないし、まりあのまっすぐな性格と力強いバットさばきのおかげで読んでいて爽快感すら感じてしまう。まさに「コロコロ」らしい異色のデスゲームだ。

■10位 一見楽しい飯テロマンガ、だがその裏で隠されている事実とは……。

『1日外出録ハンチョウ』 萩原天晴(作) 福本伸行(協) 上原求・新井和也(画)

『1日外出録ハンチョウ』 第1巻
萩原天晴(作) 福本伸行(協) 上原求・新井和也(画) 講談社

人気ギャンブルマンガ『カイジ』シリーズのスピンオフ、『1日外出録ハンチョウ』。普段は脱出不可能な地の底で借金返済のために働きながら、たまの休日に1日外出券で地上に出て細やかな贅沢を楽しむ班長の姿がなんともほほえましい作品だ。

だが班長の素敵な休日の姿に目を奪われ、つい忘れてしまいがちだが、奴が外出時に使っている資金、あれはもともとは地下の住人からイカサマチンチロで巻き上げたもの・・・・! じつに狡猾・・・・! じつにアンモラル・・・・! 
仲間と海を楽しんだり、知り合いの家に泊まって和気あいあいと過ごしたりと、一見楽しげなあの風景の背後には多くの犠牲者の涙が隠されているのだ・・・・!
脱出不可能な地の獄で、周囲の人間を騙し悪徳の限りを尽くす、まさにこのランキングにふさわしい一作といえよう。
だが、『ハンチョウ』ではその事実を隠すどころか作中でも平然とネタにしてしまう、悪魔的発想・・・・! 
ただおっさんの楽しげな休日を描くだけでなく、原作でも描かれていたずるがしこいところもしっかり描くからこそ、班長というキャラの魅力が十重二重に際立つのだ・・・・!

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<文/構成・犬紳士>
養蜂家。好きな野鳥はメジロ。

単行本情報

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