「太陽爆発しろ!」そう思わずにはいられないほど、日差しのキツい季節がやってきました。 天にむかってフXXク・ユーしても虚しくなるだけ。ここはおとなしく部屋にこもってマンガを読むことにしましょう。
今月も「このマンガがすごい!」ランキングにはランクインしなかったものの、選者のみなさまが「ハズレなし!」と太鼓判を押す「すごい!」マンガが盛りだくさん!! その一部をご紹介いたします!
『アトム ザ・ビギニング』手塚治虫(案) カサハラテツロー(画) ゆうきまさみ(コンセプトワークス)
手塚眞(監) 手塚プロダクション(協)(小学館クリエイティブ)【Amazon】
なんと天馬博士とお茶の水博士が主人公! 手塚ファンは必見です!!(旭屋書店なんばCITY店 平田/旭屋書店なんばCITY店 コミック担当)
ロボットものに大切なのはデザイン性と心だと個人的に思っているので、その両方がそろったシックス君がかわいくて仕方ありません。手塚治虫やアトムをよく知らない私でも十分楽しめる、力強くも「心やさしい」作品です(りる/感想系ブログ「空夢ノート+」管理人)
再解釈ものとして佳作の予感を感じさせる走り出しでした(境真良/国際大学GLOCOM客員研究員)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
『決してマネしないでください。』蛇蔵(講談社)【Amazon】
科学の歴史にまつわるトリビアをうまく散りばめた佳作ですが2巻になってもそのおもしろさは落ちず。知識が必要なこのような作品はなかなかマネができないハズなので、著者には確固たる地位を築いていただければと思います(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)
科学史を茶化して紹介するのもおもしろいし、科学の小ネタでいちいち驚かされるし、会話のギャグも笑えて、楽しめる要素がいっぱいある。積み木で因数分解というのは感動した。あと、ニュートンの半端ではない心の狭さに度肝を抜かれた(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
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『たいへんよくできました。』佐藤ざくり (集英社)【Amazon】
前作の『マイルノビッチ』が「ビッチ(になりきれない少女)」を描いた作品であったとしたら、本作は「ぼっち」を描いた作品だといえる。一見するとユーモラスなワン・アイディアで成り立っているようなところがある。が、じつはこの著者は三角関係の緊張状態をたいへんエモーショナルに描く。そこが魅力的なのである。『マイルノビッチ』もそうだった。たしかに前巻までは「ぼっち」のヒロインが素敵な王子様との出会いを通じ、どう変化していくかに物語の軸があった。しかし、今巻からはヒロインが三角関係を通じ、どう変化していくかに焦点が合わさっている。「ぼっち」ではなくなったはずの少女が、「ぼっち」のときには知らないでいられた苦悩を知ってしまう姿に、せつなさを誘われる(森田真功/ライター、ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人)
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『メイドインアビス』つくしあきひと(竹書房)【Amazon】
物語が進み冒険の深度が進むにつれおもしろさが加速度的に上がっている! ぜひ今のうちに読んでくことをオススメします!(太田和成/あゆみBOOKS五反田店コミック担当)
壮大かつ壮絶な冒険譚。世界観も描写力も圧倒的すぎる。帯の「このマンガがすごい!にランクインしなかったけどすごい!第1位」の文字は伊達じゃないです。まがりなりにも「このマンガがすごい!」で作品を選ばせていただいている立場の自分としては、いままでこの作品を知らなかったことを恥じてしまうくらいです(ササナミ/ブログ「雑食商店街3373番地」管理人兼書店員)
『棺担ぎのクロ。~懐中旅話~』きゆづきさとこ(芳文社)【Amazon】
破滅の恐ろしさなのか、儚さなのか、その冷たさのなかで光る人の温かみなのか。物語世界の深みと美しさに言葉を奪われる、そんな体験を10年繰り返しています。(ナデガタ/漫画感想ブログ管理人)
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『ラストゲーム』天乃忍(白泉社)【Amazon】
柳くんの10年越しの片恋が、ついに大きな転機を迎えた8巻でした。もう本当にうれしくて、ひたすら「柳、よかったね」と言いながら読んでいました(笑)。ドラマCD付限定版と通常版を並べると一枚絵になる仕掛けもかわいくてお気に入りです(りる/感想系ブログ「空夢ノート+」管理人)
『月光』ウチヤマユージ(講談社)【Amazon】
監禁している少女との2人暮らし。男はなぜ少女を誘拐監禁しているのか。すべての謎が鮮やかに解き明かされるラスト。同時収録。即身仏になる恋人との生活を描いた「LOVER SOUL」もよかった。(すけきょう/ブログ「ポトチャリコミック」管理人)
特異な題材を一風変わった綴り方をした作品。時系列そのままに描かず材料を出し入れしたのは、まともに描くと普通の作品になってしまうからだろうが、それが事件の重さを主人公たちに感じさせない軽いものに転じさせていて、上手な技法だと思いました。次の作品が読みたい作家さんです。「夏の十字架」電子化も希望(happysad/マンガ一巻読破管理人)
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『日日是好日』比古地朔弥(A-WAGON)【Amazon】
2007年~2008年にかけてフィールヤングにて連載されていた本作。突然kindleでリリースされていたのは驚きました。古民家でのスローライフ、ちょっと憧れます(竹下典宏/まんだらけコンプレックス店長)
『姉のおなかをふくらませるのは僕』恩田チロ(画)坂井音太(作)(秋田書店)【Amazon】
タイトルからして弟が姉のために料理をつくるかと思いきや、姉弟それぞれが料理をつくっています。なんと言っても、キャラクターが脇役にいたるまでいきいきとしていておもしろいです。ロングキちゃんをはじめとして、あだ名がついているのもいいですね。それぞれの性格の違いによる料理の違いもわかっておもしろいです(杉村啓/料理漫画研究家)
秋田書店でこのタイトルということでお色気路線を疑ったが実際はタイトルはフェイクというかミスディレクション狙いの引掛けタイトル、実際は食マンガであるというオチ。ただ本作はそこにとどまらず、おいしそうな料理に加え、彼らの生活の背景もきちんと描きそれぞれの友人も作中に登場する。世界をきっちり構築したうえで綴られている作品で、そういう当たり前のことをきちんとふまえていることに感動しました(happysad/マンガ一巻読破管理人)
食べものマンガがあらゆる融合先を探す昨今、このマンガが融合させたのはおねショタ。血の繋がっていない姉と仲よしだけれど、べタベタしてくるのは恥ずかしい、そんな年頃の弟が姉のおなかを全年齢的にふくらまる。時には姉が弟のおなかをふくらませる。この手の題材は食傷気味と敬遠することなかれ、メインディッシュは弟です(KT./漫画と装丁のブログ「良いコミック」管理人)
『囀る鳥は羽ばたかない』ヨネダコウ(大洋図書)【Amazon】
待ちに待った新刊!複雑にねじれた内面を隠し持つ男たちの、切なく痛いノワール愛憎劇。表紙にピンと来たら手に取るべし!(川原和子/マンガエッセイスト)
『山羊座の友人』乙一(作) ミヨカワ将(画) (集英社)【Amazon】
このテのコミカライズはちょっと…という人も、一読の価値アリ。読後感は決して軽くはないが、不思議な清々しさを残す、青春SFミステリ(井口啓子/文化系ライター)
乙一原作の小説をコミカライズした作品。タイムスリップ要素のあるSFはその整合性の精度が問われる。また高校生を主人公にした学校という(忌まわしき)システムについて。これら見事な作品であった(今村方哉/レコード会社勤務)
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